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【プレイレポート】アドベンチャーゲームとダンジョンRPGと音ゲーを融合させた全く新しいキャラゲー『レイギガント』

By asabat, 2015/08/04

ダンジョンRPGはなんでもBUYする漢であり、バンダイナムコエンターテインメント好きの33歳、『レイギガント』も当然やりました。

▲バンナムから出るダンジョンRPGを遊ばないわけにはいかない!

▲バンナムから出るダンジョンRPGを遊ばないわけにはいかない!ということで音速でBUY。

ダンジョンRPGは、古き良き面白さが脈々と受け継がれているジャンルなので、とりあえず買っておけば遊べるというのがおれの持論ではありますが、この作品はだいぶ毛色の違う作品で、主軸はアドベンチャーゲームで、そこにおまけ程度にダンジョンRPG要素がついたものとして考えるのがよさそうです。シナリオとしても、物語を見せるところに特化していて、アドベンチャーパートと戦闘パートの配分は『サクラ大戦』や『魔人学園』シリーズのような塩梅を想像してもらえるといいかもしれません。

キャラクターの立ち絵とイベントCG、ステータス画面の雰囲気が違うところに、『センチメンタルグラフィティ』を思い浮かべたり、フルボイスではないところに予算感を感じたりもしましたが、物語としては、概ね面白かったです。もう少しイベントCGがあれば、物語的にはより良かったのかもしれません。

▲キャラクターや世界観は、バンナムらしくひきのあるものになっています。

▲キャラクターや世界観は、バンナムらしくひきのあるものになっています。

▲キャラクターの描写で個人的に残念だったのは、ステータス画面、イベントCG、通常の立ち絵で雰囲気が大きく違うところ。

▲キャラクターの描写で個人的に残念だったのは、ステータス画面、イベントCG、通常の立ち絵で雰囲気が大きく違うところ。フルボイスではないところなども含めて、予算規模の問題なのかもしれません。

一通りクリアーした限りでは、特別な分岐などはなさそうでしたが、物語としてはしっかり伏線などを用意し、程よいタイミングで回収していくというもので、アドベンチャーゲーム好きの方には刺さる作品になっているのではと思います。早く先が見たいという意欲をかきたてるような物語の描き方は、オリジナルIPとしてはかなり力が入っていると感じました。ここらへんは、バンナムらしさが光る、本作の強みになっていると思います。途中で大きく物語が動いて、操作するパーティキャラクターがガラリと変わるところは、普通のダンジョンRPGにはない作り方で、どういった経緯でこの作りになったかは想像することしかできませんが、「バンナム」らしさを感じる面白い構成だなと感じました。

ただ、ただですね。ダンジョンRPGにはうるさい33歳から見ると、肝心のダンジョンRPG部分の難度が明らかに物足りなかったり、ところどころに作り込みの甘さを感じてしまうのも事実です。

個人的に一番気になったのは、戦闘のぬるさです。本作のレベルアップは、各種素材を使うことで行うのですが、この素材がパーティで共通になっているため、1キャラクターのレベリングをゴリゴリ進めることができます。ここで、1キャラクターを育成しただけでは厳しいバランスになっていればいいんですが、途中に用意されているレベルキャップもあまり抑止力になっておらず、「おれ一人で十分だ」みたいな状況が多いことは否めません。

▲主人公キャラクターを育て続けてプレイするだけでも、十分クリアーできます。

▲主人公キャラクターを育て続けてプレイするだけでも、十分クリアーできます。

戦闘のシステムは、パーティで共有のAPを行動するごとに消費していくというものなので、強いキャラクターにAP限界まで行動→ほかのキャラクターは待機という戦術で、文字通りボスを含むほとんどの敵に勝ててしまうんですね。

APは徐々に減少していくのですが、自動回復分はかなりの量で、雑魚戦で枯渇することはまずありません。ボス戦においては、戦闘が長期化するので当然枯渇する状況もあるのですが、そこに、一定回数行動するとAPのかわりにHPを消費するという暴走モードが絡むことで、この枯渇をチャラにすることができます。
HPが減ると危ないじゃないかと思う方がいるかもしれませんが、本作は、回復アイテムが、一度生産してしまえばAPを消費するだけで無限に使えるという設計なので、「攻撃×3→回復アイテム×2」とかやっていると、永久機関のように敵を殴り続けられる状況が多いです。からあげ弁当があまりにも強すぎたんや。

▲攻撃攻撃攻撃からあげからあげ。これが本作における最強コンボといっても過言ではありません。

▲攻撃攻撃攻撃からあげからあげ。これが本作における最強コンボといっても過言ではありません。写真は物語中盤ですが、主人公以外は初期ステータスのままです。

このからあげ戦術で戦っていると、敵の属性耐性などが存在するため、仲間にしか使えない武器や術を使わないとダメージを与えにくいボスには、かなりの時間をとられてしまいます。しかし、そんな状況を打破するために用意されているのが、「SBM(スラッシュビートモード)システム」、音ゲーとたたかうコマンドを組み合わせたまったく新しい戦闘システムです。このSBMは、戦闘をしていると徐々に溜まっていくSPを消費して音ゲーを発動し、音ゲーの成績に応じて相手への攻撃回数が変化するというものになっています。

▲こちらが、SMBモードの画面です。×をモチーフにしたボタンが、黒い○と重なった瞬間にボタンを押していくというものです。×をモチーフにしているとはいえ、押すのは×ボタンではないという恐ろしいフェイクが隠されているので、素人は気を付けてください。

▲こちらが、SBMの画面です。×をモチーフにしたボタンが、黒い○と重なった瞬間にボタンを押していくというものです。×をモチーフにしているとはいえ、押すのは×ボタンではないという恐ろしいフェイクが隠されているので、素人は気を付けてください。あーもうッ どうにでもなれッ

このシステムの凄いところは、攻撃回数が10倍以上になって凄まじいダメージを与えられるところです。派手なヒットエフェクトが無数に飛び交う攻撃シーンは、見ごたえと爽快感に溢れていますが、こんなに強くて大丈夫なのと思うほど協力なシステムです。中盤までのボスなら、このシステムを発動した瞬間蒸発していることも珍しくありません。

▲音ゲーの成績によって攻撃回数が変化します。随分とミスりましたが、なんかいっぱい攻撃してくれます。下の青いバーは敵の体力です。

▲音ゲーの成績によって攻撃回数が変化します。随分とミスりましたが、なんかいっぱい攻撃してくれます。下の青いバーは敵の体力です。

▲音ゲーを多少ミスっても、君が、泣くまで、攻撃をやめないっつ!

▲音ゲーを多少ミスっても、君が、泣くまで、攻撃をやめないっつ!1回のSBMで、ボスの体力をすべて溶かすことも日常茶飯事です。

▲こんな風に変身して連続攻撃してるので、強すぎても仕方がないのかもしれません。

▲こんな風に変身して連続攻撃してるので、強すぎても仕方がないのかもしれません。

個人的な総評としては、『レイギガント』は、キャラクターの描き方や物語など、良い部分も多いですが、肝心のダンジョンRPG部分がイマイチです。簡単というのは、間口を広げるという意味ではアリだと思うのですが、本作の場合は、簡単というよりも、作りの粗さが簡単さにつながっている部分も多かったです。簡単な難易度にしたのは、物語への没入感を削がないためなのかなという好意的な解釈ができるのかといっても、それもかなり苦しいのではと思います。

プレイ時間については、アドベンチャーゲームとしては冗長にならない尺になっていますが、ダンジョンRPGとして見るとさすがに短すぎですね。

素材は非常にいいんだけれども、ハクスラ要素がなかったり、あまり捻りのない戦闘、育成システムは、いろいろなダンジョンRPGを作ってきたエクスペリエンスにしては物足りないと思わざるを得ません。正直、『デモンゲイズ』が傑作だっただけに、その後の作品に期待しているのですが、『オペレーションアビス』も正直作り込みの甘さを感じましたし、『オペレーションバベル』も、もう少し詰められる部分があったように感じます。

ダンジョンRPGというのは、さすがに今までに名作が数多く出ていて、古き良きフォーマットの上に作られているので、いろいろ遊んでいるユーザーの舌は肥えています。そんなユーザーが支えているジャンルだからこそ、古き良きフォーマットを使いつつも、作り込みや、ちょっとした新しさを感じる作品が出てきてほしいと思います。ただ、何度もいいますが、ボーナスポイントの選別はもうまっぴらごめんなので、ここはDLCで救済願います。

▲惜しいところの多い作品です。

▲キャラクターや緊張感のある設定を活かせる完全版か、続編を期待しています。

予算や開発期間など、のっぴきならない事情はあるかもしれませんが、ユーザーからすれば、そんなところは共感して、「開発費や予算がなくて残念だったね」と納得することは難しく、おれとしても、正直に感想を書くと、微妙な作品と言わざるを得ません。『時と永遠〜トキトワ〜」ほどではないにしろ、肩透かし感は強いですね。どうだろう、『MIND0(マインド/ゼロ)』くらいかな。

しかしおれは、このコンシューマーゲーム冬の時代においても、オリジナルIPを出そうとするバンダイナムコエンターテインメントが大好きですし、バンナムがなくなってしまったら、愛するキャラゲーの数々が出なくなってしまうので、このチャレンジスピリットに共鳴し、買ってよかった!と思っております。

バンナムの歴史が自らに刻まれていくこの感覚は、サイコ―です。
2作目以降になっている作品は、どんどん改善されていっているので、この作品も是非、次を!
2が出たら当然買いますので、何卒よろしくお願いいたします。