『 Until Dawn (アンティル・ドーン) -惨劇の山荘-』02

【ゲームレビュー】日本版『Until Dawn – 惨劇の山荘 -』に惨劇なんてなかった

By asabat, 2015/09/03

徳島と東京を行き来する日々が続いていて、ようやく落ち着いてきたのでUntil Dawn – 惨劇の山荘 -』を遊びました。この手のゲームは、いつネタバレが飛んでくるかわからないので、発売日に買ってそのまま猛スピードでクリアーすることにしてるんですが、今回はスタートが遅れてしまってひやひやしていましたが、なんとか一通りクリアーすることができました。

▲個人的には、海外ゲームは字幕のほうが迫力あって楽しいと思う派です。本作ももちろん字幕でプレイ。実写と見間違うような美麗なグラフィック、凄すぎます。

▲個人的には、海外ゲームは字幕のほうが迫力あって楽しいと思う派です。本作ももちろん字幕でプレイ。実写と見間違うような美麗なグラフィック、凄すぎます。

▲選択肢とキーアイテムの捜索、QTEが絡み合って物語が分岐していきます。

▲選択肢とキーアイテムの捜索、QTEが絡み合って物語が分岐していきます。

ゲームとしては、選択肢やキーアイテムの捜索、QTEのこなし方で物語が分岐していく、サスペンス&ホラーです。この分岐の中には、キャラクターの命がかかったものもたくさんあって、ちょっとした選択から、”バタフライエフェクト”のように凄惨な事件に発展していくこともあります。おれは一週目を、かなり雑にプレイしたんですが、登場人物がバタバタと死んでいって、エンディングを迎えたときには3人しか生き残っていませんでした。

▲操作するキャラクターが次々と変わっていくのも本作の特徴です。

▲操作するキャラクターが次々と変わっていくのも本作の特徴です。

さて、この日本版『Until Dawn』、発売直後から表現規制が度を過ぎているとプチ炎上状態。おれのほうはそんな炎上を眺めつつ「血が緑になろうが物語にあんまり影響はないだろう」とか思っていましたが、遊んでみて驚きの超絶規制で腰を抜かしそうになりました。

規制がきつすぎて、ホラーゲームとしても、サスペンスとしても成立しているか怪しいラインです。

おれがクロスレビュアーだったら、表現規制がひどすぎて2点とかつけそうなレベルです。

具体的に何がダメというと、ネタバレにつながってしまいそうなので、なんとかボカしてお伝えすると、

1.規制シーンは、画面真っ黒の台詞のみ

2.本作のサブタイトルである、”惨劇”の規制が多すぎて、ホラー要素が薄い

3.物語の流れで重要なシーンが、規制シーンになっている。

この3段構えでダメなんですが、一番ダメなのは、1と3の合わせ技。
ただグロいだけではなく、物語においてかなり重要なシーンが画面真っ暗なおかげで、その後明かされる真実に大して何の没入感もないこと。3の規制シーンの意図は、普通に推理しているとそうなるであろうというところを、映像が交わることで「まさか」とさせる手法だと思うのですが、映像がないことで、プレイヤーの推理が効きすぎてしまい、中盤にかけての展開が台無しにされているように感じました。

▲この真黒なシーンはもともとグロシーンだったんですが、ここはただグロいだけではなく、物語においてかなり重要な意味を持つシーンです。

▲この真黒なシーンはもともとグロシーンだったんですが、ここはただグロいだけではなく、物語においてかなり重要な意味を持つシーンです。

規制を軽視するというわけではないんですが、日本のゲームの規制って、かなり曖昧ですよね。自主規制なのか、CEROさんが仕事をしているのかはわかりませんが、こういったメジャーになりそうなタイトルはグロ規制は強めに感じる一方で、『カオスチャイルド』や『雷子』が、わりとショッキングな表現を許容されていたりします。『カオスチャイルド』とか、●●をバラバラにしてしまうんですけど、ああいうのは大丈夫で、これはダメというのがイマイチわかりません。二次元絵だと大丈夫、とかがあるんでしょうか。

この雑すぎる規制がなければ、良質なサスペンス、ホラーとして楽しめたことは間違いありません。

ソフトに収録されている、メイキングなんかを見ているとキャストや監督の本作へのこだわりがひしひしと伝わってきます。ハリウッドの若手俳優のモデリングを使ったというのは事前情報として知ってはいたんですが、まさかここまで雰囲気が近いとは思いませんでした。

ゲーム内画像(左)と、メイキングに登場する女優さん。どうですか、この再現度!

▲開発中のテストプレイの一貫として、テストプレイヤ~の恐怖を測定しつつブラッシュアップを図ったとのこと。こんだけ作りこんだ作品が、基準不明の規制で台無しになってるのは本当に残念です。

▲開発中のテストプレイの一貫として、テストプレイヤ~の恐怖を測定しつつブラッシュアップを図ったとのこと。こんだけ作りこんだ作品が、基準不明の規制で台無しになってるのは本当に残念です。

規制についてもうちょっと気を使っていれば、日本でも高い評価を得ることができたはず。パッチでなんとかなるとは思っていませんが、もし今からでも間に合うなら、なんとかしてほしいものですね。