萌えゲーは限定版に限るということで、一番高い限定版・GS最強コンボセット16000円の『よるのないくに』を買い、昨日無事、エンディング後のエクストラシナリオを含めて、クリアーしました。毎日聖闘士としての活動が夜中まで続いていて、リアルよるのないくにだったので、出遅れたーと思いながらプレイしたのですが、正直肩すかしのボリュームと内容で、久々にあとに何も残らないようなゲームをつかまされたなという感覚です。味のないところてんを食べ終わった感覚を想像していただければ、おれの体験した20数時間を追体験できるかもしれません。
おれはゲームにはかなり寛容なほうだと思っていて、クソゲーも笑いながらプレイできるほうなんですが、これだけ微妙なまま始まり、特にゲラゲラ笑えるバグも超展開もなく終わったゲームは久々ですし、ブランド20周年だかの節目に出すゲームじゃないだろうと思う次第です。こういう、ゲームメディア含めて、良ゲーですみたいなプロモーションしてくる作品、個人的には凄く嫌いなので、今回はちょっといきり立ちながら書いておきます。
感想を箇条書きにすると、
・ボリュームが少ない(クリアーまで15時間程度、エンドコンテンツで+5時間、トロコン作業を多めに見積もって+10時間)
・アクションRPGにも関わらず、操作が単調(操作キャラクターは一人、武器種は5種類)
・代わり映えのしないイベントグラフィック、登場人物の少なさ
・ストーリーが微妙
・ユーザーインターフェイスが微妙で、周回プレイに向かない(アイテムの所持上限、ソートの不親切さ、クリア後リザルトのテンポの悪さ)
これがおれの感想の全てで、特にほかに書く事もないんですが、もう少し詳しく説明すると、とにかくゲーム内容が浅い。アクションRPGとはいえ、頭を使うところはほとんどなく、ごり押しでほぼ終了するこれぞ一本道といった内容です。サブクエストなどはあるものの、そこに出てくるボスは、雑魚の使い回しばかりで、固有のボスの数にしてみれば10いない勢いで、攻略の楽しみとかいったものは特になく、一番強いなと思ったラスボスが、「法則性のよくわからない回復をしてくる」という類の強さで、完全になめとんのかという形でした。クリア後のボスが強いみたいな話もあるようですが、変身して□を連打してるだけで体力8割近く削れて唖然としてしまいました。
アクションの数自体もかなり少なく、武器種が5種類あることを考慮しても、最近の『無双』シリーズの1キャラクター分にも及ばないと思います。使い道のないアクションもあるうえに、武器を使い分けないと攻略できないシーンもほとんどありません。爽快感のなさも致命的ですが、ここらへんヒットストップやヒット時のSEなんかでなんとかならなかったんでしょうか。
やり込み要素の面は、ユーザー側で突き詰めるところを用意するとすると、時間はかなりかけられますが、そこまでやって闘うべき相手がいないということと、トロフィーだけなら30時間くらいで終わるというところで、そこまで挑戦意欲をかきたててくれるものではありません。
△クリア後に出てきたミミックのようなモンスターは、1ずつしかダメージが入らなかったので連付きをオンにして1分放置、2000HITコンボで倒しました。そのほかの攻略法とかがあるのかもしれませんが、作りとしては雑ですね。
以下、ラスボス等のごりおし動画を貼っておきますので、これからプレイしようと考えている方はご視聴お控えください。
ストーリーやキャラクターに関しても、キャラクター数が少なすぎるので、”よるのないくに”が実際にどのような脅威にさらされているか、淡白すぎるテキストでしか伝えられないため、没入感はありません。ストーリーは、どこかでみたような展開かつ、終わってみれば、トゥルーエンディングですらかなりのあっさり風味。人と人との関係が、思わせぶりに書かれるものの、深いところには踏み込まず、語られないというのは、わびさびのところに達しておらず、ただただ、シーン作りの予算が足りなかったようにしか感じません。
こういった、3Dグラフィックで描写する”萌え”色強めのゲームは、ゲームの随所に一枚絵を入れるべきだと思います。3Dキャラクターの動きで、いくら緊迫されたシーンをやられても、『ファイナルファンタジー』クラスのグラフィックスや、『女神転生』クラスの緊迫した雰囲気作りがないと、どうも手抜きに感じてしまうんですね。
ぶっちゃけ、ガストの作品には、世界観ややりこみといったところを毎回期待していて、『シェルノサージュ』や『アルノサージュ』、『アルトネリコ』は世界観がよく作り込まれていますし、やり込み要素も豊富です。『アトリエ』シリーズなんかは、毎回大きなシステム変更はないながらも、新作出るのか、やってみようと思う作品なんですが、この『よるのないくに』は、可愛い女の子が出てくるということしかその強みが発揮されていません。その女の子に関しても、任意での着せ替えなどはなく、萌え要素を押し出したゲームとしても、弱点ばかりが目立ちます。アクションRPGを作るなら、過去の名作、佳作を踏まえつつ、面白いものを作ってほしかった。『インフィニットアンディスカバリー』は神ゲーだって言ってんだろ!あと、召還アクションものなら『フォークスソウル』とかそういうのを参照してほしかった。
もし次回作があれば、合間合間で正直なテストプレイヤーでも雇ってほしいところですね。
あ、折れたとはいっても、こういうゲームこそトロコンしておかないと、「やりこんでないのに評価すんな」とかいわれそうなので、今、依頼を300回達成するという苦行に打込んでいます。
これほど『無双』のシステムに近いゲームなんだから、ガストと同じコーエーテクモの、ω-forceさんが戦闘パートだけでも作っていれば神ゲーになれたのかもしれないと、1ユーザーとして勝手な感想を垂れ流して締めにしておきます。