動画勢をプレイヤーにできるか

By asabat, 2014/09/30

格闘ゲームが下火になってる、盛り上がってるというような論争が数日前にはあったんですが、いろいろなタイトルを個人的にウォッチしている限りでは、まぁこんなもんではなかろうかという印象です。鎮火してから書こうとするおれの立ち回りが、老害プレイヤーの老獪な戦術を彷彿とさせますが、こんなものはいわゆる言いたいだけのものなので、これでよいのです。

以下言いたいだけのことが続きます。

お化けコンテンツである『ストリートファイター4』シリーズを含めてみても、売上本数も、ゲーセンの集客も、格闘ゲーム黄金期(90年台〜2000年台前半)に比べると、やはり落ちているのは明らかで、次々にビデオゲームメインのゲーセンがつぶれているというような状況がちょっと前に話題になったことから、”盛り返してきてはいるかもしれない”というのがわりと正確な判断ではないでしょうか。昔はゲームの全国大会に行くのに、交通費を出してくれるメーカーがあったんですよ(真顔)

一方で、観戦ブームというのはすごく盛り上がっているような気がしていて
格闘ゲーム上級者の対戦を現地で、もしくは生放送や動画で観戦するというのは、ちょっとしたブームになっているかと思います。
『ストリートファイター』というお化けタイトル以外も、大会の生放送などでは、かなりの視聴者数を稼いでいます。(有料にしたときに、どのタイトルが視聴者をとれるというような話も面白そうではあるのですが、これはまぁそのタイトル力によるところと支持層によるところも大きいかと思うのでまた機会があれば書きます)

格闘ゲームというのは、敷居が高いとは言われるものの、いわば体力ゲージを0にして勝てばいいというシンプルなところもあり、なんか一方的に攻撃していたらすごいことなんだとか、相手の技のからぶりに一撃を決めたらうまいみたいなところは、わりと視覚的に簡単なところだと思うんです。

そんなわけで、ちょっとした知識があれば楽しめますし、知識がなくても、「真剣勝負をしているプレイヤー同士の戦いを楽しむ」というショーとして、大会の様子を”動画勢”として観る面白さがあるわけです。

つまり遊ばなくても面白いというところで、格闘ゲームの観戦は成り立っているわけです。
そんな風に動画勢が盛り上がっている中で、

動画勢からプレイヤーにするまでの接続

というところについては、どうもちぐはぐな印象を受けます。
動画によって興味を持ってくれた、知ってくれたことは確かだけれども、
それを実際のプレイヤーとして呼び込んでいく試み
これがどうもうまく回っていない気がするんですね。

一部のプロゲーマーたちが再構築してくれた、大会の面白さと、それを観るシステムにのっかった動きやプロモーションは次々と出てきているものの、やはりそこはスーパープレイの範疇で、実際のプレイ意欲や購入意欲への結び付けというところはわりと軽視されている印象です。(そしておれのように長く格闘ゲームを遊んでいると、なんかもううまいゲーマーを見て「おれも一緒に遊んでいる」感覚になってしまうのも危ないところです。「今の飛びに昇龍出るかー」と野球観戦のおっさんになっているおれも、心はプロゲーマーとともにプレイしていたりするんですね。)

声優を使ったパフォーマンスに関しても、そのイベント自体の集客を高めるものの、そこからプレイヤーになってみたいとかすかな興味を抱いた人はどれだけ拾えているでしょうか。

プロモーションが盛り上がればよいとか、格闘ゲームは、格闘ゲーマーに向けたものという考えでいくと、この方向もアリかもしれませんが、新規層を呼び込むというところでいくと、やはりここをどうにかしないとアカンような気がするんですね。

そんなこともあり、昨日ボソッと

”格ゲーを初めて触る人に「ある程度わかる、動かせる」まで教えるってのは、生半可なことではないよね。波動拳を出せない人だとすると、中脚波動までいくのにも「本人のやる気」がかなり必要だとおれは思ってる。うまい人に教えてもらえばトントン拍子でうまくなるというようなことはまずない。”

というようなことも偉そうな口調でつぶやいたんですけど、まぁ、ここが非常に難しいなとゲームライター的なことを長くやりながら思うわけです。動かせるというか、動画を見ているときと同じか、それ以上の面白さを伝えつつ、プレイヤーになってもらうことがあまりにも難しく、取り組む価値のあるべきことではなかろうかと思うわけです。

老害プレイヤーは、がんばってうまくなるのが楽しいんだとか言ってきますが、頑張り方がわからない人はどうすればいいのか、”ググれカス”、”自分でコミュを作れ”みたいな暖かいアドバイスがネット上では目立ちます。もうふたつほど、昨日twitterでぼそっとつぶやいたことをそのまま貼りつけると

”講習会的なものに行けるなら、もう立派な格ゲー勢だとおれは思ってる。
新規層が増えるには、「何を講習してもらうかがわからない」、「何を練習していいかわからない」という人をケアできるものがもっと充実してくる必要がありそうだ。その何かには、今ある攻略本やサイトでは足りないんだよな。”

偉そうですね。おれ。

”おれが見てきた、作ってきた格ゲー記事には、「格ゲー初めて」という人を真にケアできるものってないんだよな。コマンド入力やら用語やら、「わかってるよね」というところからスタートするものが多いし、教科書的で面白くない。機会を作ってなんとかしたいとかいうと危ないけどなんとかしたい。

というようなさらに偉そうなことも書いてみたんですが、おれはまさにここをなんとかしてほしいなと他力本願しつつ、でも自分でもやってみたいなとか思いつつ、ぐうたらと自分のゲームを楽しんでいるのが現状です。

まぁそんなこんなあって、

原作ありきのアーケード格闘ゲームも、最初の興味をひく仕掛けとしては素晴らしいものの、いざ稼働、発売してみると数字に不安が残るというような事案も発生しているわけで、アーケード版戦国なんとかクロスのロケテにいっぱいいた女子はどこに消えてしまったのかという問題を掘り起こしそうになりますが、このへんでやめておきます。