△連続攻撃成立時にランダムで発動するデュオアーツ。バトル中にライブが始まったりします。

【プレイレポート】WiiU『幻影異聞録♯FE』は最強のコマンド選択式JRPGなのかもしれない

By asabat, 2016/01/04

あけましておめでとうございます。
今年も浅葉、34歳、若者をよろしくお願いいたします。

2015年もいろいろなゲームを遊んでやりきった感でいっぱいだったのですが、最後の最後にとんでもないゲームに出会いました。年末に発売されたWiiU『幻影異聞録♯FE』、スゴイ!ありがとう任天堂!アトラス!
年末から正月が終わるまで、どこにも行かずソファに寝転がって一生戦いを繰り広げていました。奥さんを隣において「面白いね」とかいいながらプレイしていたので、家庭にヒビは入っておりません。おせちを頼んでおいてよかった。

いや、マジで凄いです。このゲーム。ある意味、コマンド選択式JRPG的なものの極致ともいえる作品ではないでしょうか。

本作は、『ペルソナ』、『女神転生』等のRPGで知られるアトラスと、任天堂の『ファイアーエムブレム』のコラボ作品です。制作を手掛けたのはアトラスで、RPGとしてはまんま『ペルソナ』的なものに仕上がっています。遊び終わったあとに、もうこれが『ペルソナ5』と呼ばれても納得するぜ!と思ってしまったほどなので、アトラスのRPGファンなら、おさえておいて損はない作品でしょう。
おれは『偽典・女神転生』も所持している古参アトラスファンで、3年ほど前は”最近のアトラスはねえ”などとくだをまいていましたが、『デビルサバイバー2』で信者力を取り戻し、キレイでピュアなアトラス信者に戻りました。『ペルソナ』ファンを名乗るなら、一作目の『ペルソナ』を全編クリアしてから出直して来いよとか思っていたりしますが、邪悪な存在ではありません。アトラスというのは実に多彩な動きをしているブランドなので、迂闊にファンだとか発言すると、「バーチャルボーイの『ジャックブラザースの迷路でヒーホー』はよかったですよね」とか「『ペルソナ3エム』は移植してほしいですね」などとマニアックな発言で煽られる可能性があるのでご注意ください。

△『ファイアーーエムブレム』的な要素も多めです。

△『ペルソナ』シリーズの進化形とも言える作品になっています。

△RPGの基本的な作りとしては、『ペルソナ』シリーズの進化形です。これがもう『ペルソナ5』でもおれはいいよ。

△これがもう『ペルソナ5』でもおれはいいよ。

芸能に携わる若者たちと、その表現力に感応するように集まってくる”ミラージュ”と呼ばれる『ファイアーエムブレム』の世界の英霊たちの織り成す物語は、おおげさで、にぎやかです。主人公はひたすらに前向きで、それを囲む仲間たちも、ひっぱられるように成長し、現代の英雄として成長していきます。”こんなやつらいねーよ”というのを通り越して、どこか憧れてしまう人物たちは、皆強烈な個性と魅力に満ちています。
そもそも設定からして、芸能の力が英雄たちの力になるというところからぶっ飛んでいるので、リアリティとかそういうのはどうだっていいんです。シナリオ全体を通して、非常に痛快で、日本のゲームファンのために作られたシナリオになっています。痛々しいほどまぶしい主人公たちから、目が離せません。

△芸能の持つ力に、『ファイアーエムブレム』たちの英雄たちが共鳴するという、ぶっ飛びストーリですが、よくまとまっています。

△芸能の持つ力に、『ファイアーエムブレム』たちの英雄たちが共鳴するという、ぶっ飛びストーリですが、ドラマとしての起伏も絶妙。最初から最後まで、楽しく遊ぶことができました。

△おれのお気に入りは、弓弦エレオノーラちゃん。

△おれのお気に入りは、弓弦エレオノーラちゃん。『ペルソナ2』のエリーよろしく、アトラス的エセ外人力に満ちています。

戦闘は、コマンド選択式で、敵の弱点を突くことで、仲間が追加攻撃を仕掛けてくれるというシステムになっています。最近の『女神転生』、『ペルソナ』シリーズに採用されている”弱点を攻撃することで攻撃回数が増える”というルールにかなり近いのですが、戦闘画面の華やかさはここ最近のJRPGの中でもトップクラスのものになっています。ボイスパターンや衣装のパターンが多いので、戦闘を繰り返していても飽きがきません。仲間による追加攻撃中にランダムで発動する”デュオアーツ”と呼ばれるものは、バトル中にライブや小芝居が始まってしまいます。
最近のアトラスRPGというと勝利の雄たけびメシアライザー、ハッソウビートゲーという印象があって、毎回強いスキルと組み合わせとその育成方針が変わらないじゃないかいい加減にしろと思っていたのですが、本作は”属性攻撃”に寄せてチューニングしたこともあって、敵によってスキル構成を変えて闘う場面が多く、戦闘にメリハリがあります。難度ノーマル、ハードあたりは、適当にプレイしていてもなんとかなるのですが、2周目以降に解禁される最高難度”ルナティック”では、キャラクターを入れ替えて、属性相性を調整してボスに挑むなどの工夫をしないと厳しい戦いを強いられます。もうただのタルカジャ強スキルぶっぱなしゲーではないんです。ついにアトラスのRPGが新しいステップにきたのかもしれないと、感動しております。

△攻撃モーションなども非常に凝っています。スキル発動時には、キャラクター別のサインが表示されます。

△攻撃モーションなども非常に凝っています。スキル発動時には、キャラクター別のサインが表示されます。

△連続攻撃成立時にランダムで発動するデュオアーツ。バトル中にライブが始まったりします。

△連続攻撃成立時にランダムで発動するデュオアーツ。バトル中にライブや小芝居を観ることができます。スキップ機能もついているので、バトルのテンポを乱すことはありません。

そして、このゲームを語るうえで外せないのが、ライブやドラマのシーン。主人公(主人公はマネージャーのようなものですが)たちは、芸能人ということで、ライブやドラマにもりもり出演していきます。これらのシーンの演出は、ものすごく作りこまれていて、アニメ化を急いでくれ!と願っています。
ライブシーンの中には、バトルと同じく3Dモデルを使って描かれるものに加えて、フルアニメーションのものも存在します。このアニメーションのクオリティは、そこらへんのアニメをぶっ飛ばせる勢いです。楽曲もガツンと響いてくるものばかりで、聴いていてハッピーになります。数々のゲームをプレイしてきて、そこで使われているボーカル曲もいろいろと聴いてきたのですが、この作品ほどバリエーション豊かで、深みのある作品はなかなかあったもんじゃありません。5月に中野サンプラザであるライブには何がなんでもいきたい!

△ライブシーンの中には、フルアニメーションで描かれているものも。アニメーションはどれも素晴らしいクオリティ。

△ライブシーンの中には、フルアニメーションで描かれているものも。アニメーションのクオリティはアニメ顔負け。

上のライブ画像、三枚目は『ファイアーエムブレム』ではおなじみのチキさんです。
『ファイアーエムブレム』や『ペルソナ』を遊んだことがなくとも全く問題なく楽しめます。両作品のファンなら、おっ、と思うポイントも多いですが、両作品とも知らないからなと買い控えるのはもったいない!
両作品を遊んでいる人は、パッケージやプロモーションを見て、どこが『ファイアーエムブレム』なのかと首を傾げるかもしれません。おれも、本作の序盤の流れは『ペルソナ』的だなぁと思ってプレイを進めていたのですが、ある地点から物語が『ファイアーエムブレム』のほうにひっぱられていくのでご安心を。ラストバトル近辺は、『ファイアーエムブレム』ファンなら胸が熱くなるというかおれは泣きかけました。以上のことを保証するために、下にジェイガン氏を貼っておきますね。

△ジェイガン氏

△ジェイガン氏です。

昨年は、PS3、PS4のRPGをごりごり遊んでいたのですが、WiiUでこの作品を遊んでみるとWiiUゲームパッドってひょっとして神ツールなのではという感覚に陥ります。TVモニターのほうで探索しているダンジョンのマップを、ゲームパッド側に表示できるという2画面体制は、RPGとの相性がバツグンなのです。
(ニンテンドー3DSでダンジョンRPGを遊ぶときなども、画面が2つあることでめちゃくちゃ快適に感じます。)
そして、ゲームパッドならではの要素として、キャラクターたちとLINEのようなコミュニケーションアプリで会話ができる機能もあるのですが、こちらの出来も素晴らしい。ストーリー進行に関わる会話が交わされることもあれば、困ったときのナビのような役割も持っていて、ゲームパッドを使うことにこだわった作品であるともいえるでしょう。

△WiiUゲームパッドで、メッセージアプリを再現しています。

△WiiUゲームパッドで、メッセージアプリを再現しています。

△東京に馴染みのある人なら、街の再現度の高さに驚くはず。

△東京に馴染みのある人なら、街の再現度の高さに驚くはず。

全体を通して素晴らしくよくできている。ちょっと気になるところを調べると、どうでもいいメッセージが出てきたり、作り手の遊び心も満載。
こんなに完成度の高いものを世に送り出してしまって、『ペルソナ5』は大丈夫なのだろうかと心配になるくらいです。戦闘や探索パートは、『ペルソナ』シリーズの発展形といえる形になっているので、『ペルソナ5』でこれ以上のものか、予想もつかない変化球のようなものを出してくれないと、もう驚けなくなってしまいました。ストーリーテラーとしてのアトラスの実力は十分以上に信頼していますが、今までになくポップな物語でもこれほどの力強さを見せてくれるとは!
正直、アトラスというブランドは、PS3やXbox360全盛期に、RPGの看板タイトルを出していなかったので、据え置きハードにどう対応してくるのか楽しみであり、不安だったりもしたんですが、この『幻影異聞録♯FE』がひとつの答えとして、やるじゃんアトラスと、上から目線ではありますが、ものすごい感動を呼び起こしてくれました。一発芸ではなく、完成されたアトラスのRPGを遊びたいという人には、これ以上ない作品になっています。『ペルソナ5』については、ただ楽しみに待つばかりですが、もうハッソウビートとスキル継承画面でボタンを交互に連打するゲームはやめてくれと願っております。

唯一気になるのは、パッケージ版のロード時間で、ここ最近のRPGにしてはかなり長めです。最初少しプレイした時点では、ロードの長さにわりとゲンナリしていて、作品は面白いのにマジ残念と思っていました。そんなときに、RPG仲間の、千葉に住むRPG仲間の下村さんに「ロード長くね、きつくね、無理じゃね」みたいなメールをしたら、「ダウンロード版はロードが短いみたいですよ。おれは当然ダウンロード版。マジ快適です」という煽りをもらってキレそうになり、おれもダウンロード版を買ってみたのですが、明らかにロードが短い、快適。
ダウンロード版を10点とするなら、パッケージ版は8点くらいですね。
パッケージ版のロードが長かった腹いせとして、miiverseにヒロインのパンチラショットを貼っておきました。

△パッケージ版のロードが長かった腹いせとして、miiverseにヒロインたちのパンチラショットを貼っておきました。

△戦闘中のコスチュームは、かなりの種類が用意されています。黄色ですね。

△こちらはメイド服。しましまですね。

△こちらはメイド服。

ではダウンロード版を買うのが安定なのかというとそうでもなく、パッケージの限定版にあたる『幻影異聞録♯FE Fortissimo Edition』には、ライブ風にアレンジされたミニサントラがついてきます。このサントラの出来が素晴らしく、本編プレイ後に聞くとたまらない興奮をもたらしてくれます。5月にあるライブイベントの先行応募もパッケージ版だけの特典です。

パッケージ版+ダウンロード版で17000円のソフトと思って、是非お買い上げください。
ちなみにダウンロード版と、パッケージ版のセーブデータは、1月4日現在、共有で使えます。
アップデート等でパッケージ版のロードが短くなる可能性もありますが、今のところ告知はありません。
と、いうかですね、パッケージ限定版のさらなる上のアイテムとして、本体同梱版があって、こっちにはなんと、歌詞カードがついてくるんですよ。この歌詞カード欲しさに、4万円をぶっこむのか否かというのが、新年の迷い事となっております。

ああでも、ロード時間のついでに、もうひとつ。
個人としてどうしても受け入れられないところについて書いておこう。
ちょっとバトルパートのキリアさんのデザインが前衛的すぎて、これだけは萌えられない。

△ライブパートのキリヤさん。

△ライブパートのキリアさん。クールで美人で歌もうまい。女神です。

△戦闘パートのキリヤさん。

△戦闘パートのキリアさん。あえて微妙なカットを切り出したとかそういうのではなく、バトル中のデフォルト衣装はこんなカンジです。ツインテール、眼帯+謎のスーツ。前衛的すぎるデザインに、おれはついていけませんでした。

バトル中の衣装は変えられるので問題なし!と思っていたら、バトル突入時に表示される顔のアップは、デフォルトのバトル衣装になるという仕組みなので、毎回このツインテールキリアさんを眺めることになります。バトル開始前の顔読み込みを、バトル中のコスチューム依存にしてくれるだけで解決なんや。
キャラクターデザインとゲーム内の3Dモデルと、アニメーションのキャラクターの見た目が違うことはゲーム的なものですし、『センチメンタルグラフィティ』を力強く遊んだおれですから全く問題ないのですが、一番多く見るバトル前の画面はなんとかしてほしいというか、アプデはよ!

アトラスの親会社がセガだから、初音ミク風なんでしょうかと邪推しつつ、我がパーティは、どんなに困難な闘いでもキリアさんを戦闘に立たせないよう闘っています。


2 Comments

  1. […] さて、このボーカルアルバムは素晴らしいクオリティのコマンド選択式RPGかつ、エンターテインメント作品だとブログのほうでも書いた『幻影異聞録#FE』のボーカル曲を集めたものなのですが、全編をクリアーしたあとに聴くと、この一枚に、何もかもが詰まっているように感じられます。ゲームとか楽曲とかって、人の好みによって良し悪しの評価が分かれやすいものだと思いますが、このゲームとそこに使われている楽曲は、ごり押しでオススメしたくなるほど素晴らしいんです。本当に。 […]

  2. […] 【プレイレポート】WiiU『幻影異聞録♯FE』は最強のコマンド選択式JRPGなの… […]