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聖地巡礼ならぬ聖地移住

By asabat, 2014/10/31

昼間にパワフルすぎるつぶやきを発見したので、感動とともにブログをお送りします。

何のこっちゃと思う方がほとんどかと思いますが、このつぶやきの主は、兎来栄寿さん。名前から察する方もいらっしゃるでしょうが、トライエース信者なお方です。おれと彼はネット上のやりとりがほとんどで、実際にお会いしたのは数回なんですが、彼は強烈な『咲』ファンで、その中でも松実玄さんが特に好きなんです。この松実玄さんのご実家がですね、旅館・松実館なんですが、ここには、モチーフになった旅館があるんです。

それがこの、奈良県の

さこや

おれはまだ行ったことがないんですが、270年の歴史を持つ、素晴らしい旅館だそうです。

で、このつぶやきに話が戻りますが、勤務という文字は。勤務って働くってことだよな、体験プログラムみたいなのがあるのかしらと思って本人に確認したら、なんと本当に普通に働いている様子。『花咲くいろは』でも、旅館で働き始めた方が話題になりましたが、それに似たようなことをする猛者がまさか知人から出てくるとは……。彼からすごくいい場所だ、景色はこの時期が綺麗、という話を何回か聞いていたので、松実玄さんが好きという気持ちはもちろん、それと同じくらい、その土地が魅力的に感じたんだろうとか思いつつ、おれは、めんまのために、秩父に住んでやることができなかった弱者だと、自分の力不足を嘆いています。

しかし、すごいことですよこれは。兎来栄寿さんの情熱も、それを受け入れている環境も。この吉野というと、桜の名所、2004年にはユネスコの世界遺産に登録された絶景の地であります。桜のシーズンは多くの人が訪れて、交通規制がかかるくらいの街なんです。そこが『咲』の阿知賀編の聖地で、それをなんとなく許容している、なんとも不思議な関係です。吉野自体は、アニメで町おこしというオーラを醸し出していないのですが、ファンの口コミで魅力が広がっているといる、大変希少なケースだと思います。町の中では、ちらほら、ファンの手製のものが見られるそうです。こう書くと、景観を乱しているいるのではないかと勘繰る方もいそうですが、いろいろな報告を見る限り、主張しすぎない程度に、品良く散らばっているそうです。

アニメやゲームの聖地巡礼、いわゆる作品の舞台探訪というのは、ここ数年ちょっとしたブームになっています。おれもいろいろ行きました。これについてはちょっと思うところがありまして、仕掛け方が本当に難しいなと思うんですよ。作品がヒットするかという最初のところはもちろん、それ以上に、どういう形でアニメと街を絡めていくのか、どうやってリピーターを生み出すのか、どうやって街にそのときだけでない活気を生み出すのか、ここらへんが大変難しい課題です。

アピール控えめな吉野とはまた違ったケースですが、能動的なアニメの町おこしがぽつぽつ見られるようになって、聖地化している場所はたくさんあります。でもその一方で、リピーターがついている場所というのは少ないんです。リピーターがいる街というのは町そのものがとんでもなく魅力的か、町おこしをきっかけに町の良さを知ってもらおうという試みが、絶妙なバランス感覚で組まれていたりします。

この絶妙なバランス感覚というのが、なんとも難しいところで、オタク心をくすぐりつつも、その土地の品を失わないようにするというんでしょうか、作品や土地によって、まったく戦術が変わってくるものなんです。

きっと、兎来栄寿さんを聖地巡礼のリピーターにしてしまうどころか、聖地移住させてしまう吉野は、素晴らしい土地であると同時に、そのバランス感覚も優れているに違いありません。だって『咲』って、ぶっちゃけ今は、ちょっとブームも落ち着いていて、以前のような熱気はないはずなんですよ。それでも移住する、というのは、やっぱり作品愛だけじゃないはずなんです。そんなわけで、その絶妙なバランス感覚を実際に体験すべく、今年中に遊びにいってこようと思います(笑)