らきばと

必殺技コマンドって素晴らしい

By asabat, 2014/11/19

最近、とある方面に向けて、2D格闘ゲームの遊び方を教えるという機会があったんですが、やはり”コマンド入力”というのは、初心者の方にとって難しいものなんだなぁと改めて思いました。ぶっちゃけ、コマンド入力ができていれば、コンボもそう時間をかけずにある程度のものができますし、セオリーなんてものは、対戦しながらでもわりと楽しく覚えられるものだと思うんです。ただ、格闘ゲームで基本操作となる必殺技のコマンド入力は、やっぱりどこかでコツコツと練習する必要があるわけです。

こういう方向の話をすると、コマンド入力の練習ってつまらない、と思う初心者の方も多いと思います。

実際、コマンド入力の練習は面白いものではありません。

ただ、このコマンド入力を覚えるだけで、一気に、いろいろな格闘ゲームが楽しめるようになると考えれば、ちょっとモチベーションも変わってくるのではないでしょうか。

格闘ゲームが好きという方の多くは、波動拳、昇龍拳、竜巻(旋風脚)、サマー(ソルト)といった言葉を聞くだけでその技のコマンドを連想できるかと思います。

「突進技のコマンドって何?」

「竜巻Aだね」

みたいなやりとりは、『ストリートファイター』シリーズ以外の作品でもわりと当たり前だったりするんです。

2D格闘ゲーマー、2D格闘ゲームの間で、この『ストリートファイター』式コマンドは、ほぼほぼ共通言語のようになっています。もはやAボタンが決定、Bボタンがキャンセルといったような具合です。2Dだけでなく、格闘ゲーマーの多くは、これらのコマンドを当たり前の技術、感覚として共有しています。”複数の入力を滑らかに行うことで、ボタン入力だけでは出せない技を出す”という、これはもうゲームというジャンルにおいて、すごすぎる発明だとおれは思っていますが、この発明が凄すぎたゆえに、『ストリートファイター』から今に至るまで、これらのコマンドが操作に組み込まれているんです。

格闘ゲームの必殺技コマンドから、波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚、ヨガフレイム、ソニックブーム、サマーソルトキック、スクリューパイルドライバーのコマンドをとると、何が残るでしょう、これだけのコマンドを出せるだけで、どれだけの必殺技を出せるでしょう。長いコマンドの必殺技も、だいたいここらへんのコマンドを組み合わせれば出せるんです。(中には、従来の必殺技コマンドに抵抗を図った『武力 〜BURIKI ONE〜』という、マジ格好いいゲームもありました。おれはこのゲームをそこそこやりこみましたが、『ストリートファイターⅡ』以降の格闘ゲームのほとんどは、波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚が当たり前なんです。『ファントムブレイカー』はどうなんだとつっこまれそうなので、ハイ、レバー1方向とボタンですねとここで解説しておきます。ちなみにおっさんゲーマーは、ヨガフレコマンドの使い方には注意してください。今のヨガフレは、63214なので、若い世代にヨガフレといっても間違えられることがあります。)

つまり、ポジティブにとらえれば、格闘ゲームというのは、ある程度の数の必殺技コマンドが正確に入力できれば、いろんなゲームで応用がきくんです。キャンセルまでできていれば、ちょっとした基本コンボは、レシピや動画を見るだけでこなせてしまいます。こう考えると、練習は多少しんどいけれど、モチベーションは上がるのではないでしょうか。

ネガティブに見ると、楽しむには必殺技コマンドができて当たり前なんて敷居の高いものがあるから、興味を持っても遊びにくいという批判もあるわけですが、遊んでみたいという方は、なんとかこの敷居を乗り越えて、「キャラクターを動かす楽しさ」を体験できるようになってもらいたいと思います。コマンド入力を覚えたあとの、格闘ゲームの面白さというのは、ほかのゲームジャンルではなかなか体験できない突き抜けたものです。

このコマンドの練習というのは、どうやっても反復練習になりがちで、面白くするのは難しいんですが、鳴れないうちは、「10回連続波動拳を出す」というような小さい課題を設けてやっていくのがいいかもしれません。家庭用には、相手の動かないトレーニングモードが積まれているものがほとんどなので、アーケードで練習するよりは、こちらでの練習をオススメします。コマンドを正確に入力するには、持ち方や、入力タイミングの知識なども必要なのですが、そこらへんはネット上にも散らばっているものを参考に、自分に合ったものを見つけていくとよさそうです。

しかし、コマンドというのは、考えていくといろいろと面白いですよね。当時、必殺技コマンドで特許をとれたのか、とろうと思わなかったのかなんて疑問も湧いてきます。波動拳コマンドの技は飛び道具、昇龍拳コマンドの技は無敵時間のある対空技、竜巻旋風脚コマンドの技は突進技、みたいなイメージづけが、全体に浸透しているのも凄いところです。サマーソルトキックコマンドで飛び道具が出る、みたいなのって、あまりないじゃないですか。
そして、流行るゲームの最低条件として、コマンドのレスポンスが良いというのもありそうです。たとえば、少し方向キーを飛ばしただけで必殺技コマンドとみなされなくなる『KOF96』なんかは、どちらかというとこの部分で評価を下げていたように感じます。同じ波動拳コマンドでも、入力がシビアだと、「レスポンスが悪い」とみなされるんですね。

『ストリートファイターⅡ』時代の開発者の方とお会いする機会があれば、聞いてみたいことが山積みです。