インターステラー

『CLANNAD』ファンに勧めたい『インターステラー』

By asabat, 2014/12/02

映画『インターステラー』を観てきました。事前情報をろくに調べずに、『インセプション』、『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督の作品なら、面白いに違いないというノリで観に行ったら、この壮大な家族の物語に凄まじい揺さぶりを受けて、いまもその余韻がゆるゆると続いています。

クリストファー・ノーラン監督の作品は、非常に幅が広くて、人によって面白さのポイントは違ってくると思うんですが、個人的には、映画の中での時間の流し方が大好きです。『メメント』からファンになった自分としては、「いつ時間にだまされるかわからない」という心持でスクリーンを眺めていたんですが、そういった疑いの意識も束の間、途中からは”家族”の生きざまを追うのに夢中になっていました。もちろん、本作にも、いろいろな伏線と、その鮮やかな回収が盛り込まれているんですが、その多くは、家族の問題に紐づいているので、自然と観ていくだけで楽しめるようになっています。
おれは滅法、家族の物語に弱いんです。

『とんび』(重松清)や『東京タワー』は、流行りものだろうと思いつつ読んだり観たりしたら号泣したし、いまだに『CLANNAD』は美少女ゲームのオンリーワンだと思っています。そんなオタクが見ると、本作の冒頭、コーン畑を父親と娘が車で疾走するシーンは、もはや完全に『CLANNAD』のお花畑なんですが、そんなオタク的視点じゃなくても、ただただ純粋に、家族の物語として素晴らしい作品です。

ただ、『CLANNAD』と同じような感動を覚えたことは事実で、流れや結末、描き方なんかはもちろん『CLANNAD』とは違うんですが、家族の物語としては、そう遠くないところにいるような気もするんです。どちらの作品も、自分に備わっているかどうかはわからないけれど、そうであればいいなと願うような、家族への信頼や愛情といったものを、繊細な表現で描ききっています。

本作は、泣きゲーとして作られた『CLANNAD』とは違い、シビアな描写や状況からの解決策が、いろいろな犠牲を代償に発生します。そこには、観る人によって、ちょっと納得できないことや、憤りを覚えるようなこともあるんだと思います。ただ、最後まで見終わったとき、この家族の在り方に触れられて良かったと、素直に感動できるのも、ほぼ間違いありません。

SF小説、映画としてはどうなのかと言われると、おれ自身、SFというジャンルについては、名作、話題作と言われているものをつまむように観ている程度の浅いファンなので、SF表現や解釈について、あれこれ評価をできるようなものを持ち合わせてはいません。ただ、その浅い経験の中でいくと、本作の描写のあちこちには、説得力がありましたし、専門家の科学的考証やこだわりぬいた表現を盛り込んでいるとのことなので、SFへの興味で観に行くというのも良さそうです。

久々に、映画館でアタリを引いたので、つい興奮して紹介しました。

長めの映画ですが、興味があればゼヒ、劇場で観てください。