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【プレイインプレッション】『レジェンドオブレガシー』は『ロマサガ』なのか

By asabat, 2015/01/23

『サガ』シリーズのスタッフがいっぱい関わったことがウリの『レジェンドオブレガシー』を遊んでおります。

△主人公は8人から一人を選択。おれは見た目だけでガーネットちゃんを選びました。主人公に選ばなかったキャラクターは、町で仲間にすることができます。

△主人公は8人から一人を選択。おれは見た目だけでガーネットちゃんを選びました。主人公に選ばなかったキャラクターは、町で仲間にすることができます。

閃きシステム、陣形システム、戦闘後にランダムであがるステータス。 ゲームを遊んで一時間もしないうちに、懐かしい『ロマサガ』らしさを感じました。ただ、『ロマサガ』らしいということは、やはりおれの中で、いまだに神ゲーであり続ける『ロマンシングサ・ガ3』を越えてほしいわけで。

今は2014年、20年近く前にでたあのゲームよりも、面白い作品を遊びたいじゃないですか。パブリッシャーがフリューであるとはいえ、なんとなく、そういった期待をしていた部分もあったんですが、やはり『ロマサガ』待望論が自分の中で膨らむだけの作品になりそうです。

本作は、クソゲーなのかというと、そういうわけではありません。ただ、ゲームシステムのほとんどが、予算か納期か根気が足りなくて力尽きたみたいなボリューム不足感、作りこみの浅さを感じさせます。『ロマサガ』に似せにいったために、このゲームならではの個性、新しさというものがほとんど感じられないんです。面白さになっている部分は、『ロマサガ3』のオマージュ要素で、それは本家の域には到底届いていません。技の閃きの爽快感、戦略性、自由度、どれをとっても、今スーパーファミコンの電源を入れて『ロマンシング サ・ガ3』を遊んだほうが面白いと思います。

思い出補正じゃないのか、いえ、そんなことは全くありません。

△マップを探索しつつキャラクターを強化。歩いたところにどんどん森や建物が出現していくような描写になっています。

△歩いたところにどんどん森や建物が出現していくような描写は、テンポがよくて美しいです。ただ、マップを埋めるというゲームの特性上、何度も見ることになるのですぐ慣れてしまいます。これでランダムマップならよかったのに!

本作は、『ロマサガ』風のマップを歩き回って地図を埋める→地図を情報として売ることでそのマップにほかの冒険者が流入してきて攻略しやすくなる。というのが基本的な流れになっていて、このマップ埋めをしている間に、キャラクターを育成したり、装備を拾ったりするんです。このマップ埋め、キャラクター育成、装備の収拾は『ロマサガ』風味ですが、ボリューム面と自由度の面では完全に後れをとっています。

△戦闘後にステータスがアップする懐かしき『ロマサガ』ライクな育成システム。キャラクターデザインは雰囲気出てます。

△戦闘後にステータスがアップする懐かしき『ロマサガ』ライクな育成システム。キャラクターデザインは雰囲気出てます。

戦闘はシンボルエンカウント形式ですが、敵の種類が少なく、数種類の敵と一生エンカウントするマップも珍しくありません。多少は闘わないといけないので、これらの敵と戦闘を繰り返すんですが、これが結構苦痛です。マップも無駄に広く、探索したからといって、驚くような発見があるわけではなく、なんか踏破率が98%くらいから、わりとアバウトに歩いていても100%までひきあげられてしまうのがまた謎なところで、「隅々まで歩くのめんどくさいだろうから埋めといてやったぜシステム」によって、数値上100%になったのに、まだ調べてない場所があるというようなことも起きたりしております。これは細かい粗ですが、マップ埋めをやらせるなら、こういうところもしっかり設計してほしかったです。

△戦闘中に技を閃くところが一番『ロマサガ』しています。武器は剣、弓、盾などいろいろありますが、技の種類はそれほど多くない印象です。強敵と戦っているときのほうが閃きやすいのも『ロマサガ』ライクですね。

△戦闘中に技を閃くところが一番『ロマサガ』しています。武器は剣、弓、盾などいろいろありますが、技の種類はそれほど多くない印象です。強敵と戦っているときのほうが閃きやすいのも『ロマサガ』ライクですね。

閃く技に関しても見た目に地味なものばかり、バリエーションも少ないというところで閃きの感動があまりありません。戦闘には、パーティメンバーの役割分担(タンク、アタッカー、ヒーラー的なロールの切り替え)みたいなものや、術を使うことで、属性をコントロールするという要素もあるんですが、キャラクターの行動順を把握して、ターンのどこで術を使うかみたいなものがわかってくると、だんだん退屈になってきます。あの『ロマサガ』の、最強技を覚えるために闘う、レアアイテムドロップを狙って敵のレベルをあげる、みたいなバトルに詰まった面白さは、本作ではあまり重視されていないようです。2周目以降はあまりにも退屈なので、ごりおしでHPと必要な術を覚えて運ゲーに持ち込んでいます。

じゃあストーリーはどうなのかというと、こちらもかなり淡泊です。描写は少ないですし、ひたすらマップを埋めて、そのおまけとして少しだけストーリーがあるという印象です。『ロマサガ』のストーリーは、短い会話の中にも、いろいろ深読みができるような言葉が使われていて、プレイヤーの想像をかきたてる作りになっていたんですが、本作のストーリーからは想像してくださいという、突き放したシンプルさを感じます。新しい土地にいけば、新しいキャラクターが、短い台詞ながら、起伏あるドラマを演出してくれた『ロマサガ』、その要素は、本作に全くありません。

おれはRPGのストーリーとか、やりこみ要素が充実していればその話の方向性はわりとどうでもいいんですが、流れくらいはある程度作ったほうが良いでしょうし、「プレイヤーの想像に任せた」とか丸投げしないほうがいいのではないかと思います。想像をかきたてるものと、想像にまかせるものでは、ずいぶん質が違いますよね。

▲冒険の拠点となる街は、驚くほどシンプルです。

▲冒険の拠点となる街は、驚くほどシンプルです。

もちろん、『ロマサガ』にはない要素もありますが、それもどこかほかのゲームで見た要素が多く、あまり詰めて作られている印象を受けません。交易という、放置してすれ違い通信で運ゲーして武器とか防具とか手に入れてねというシステムなんかは、わりと雑な作りなので、一刻も早いクリアーをしたいときのお供に役立ちます。

△町から船を派遣して、アイテムを手に入れてきてもらう「交易」システム。船の派遣前にセーブして、派遣後にクイックセーブ→内蔵時計を進める、よい武器がでなければセーブに戻るでリセマラが可能です。

△町から船を派遣して、アイテムを手に入れてきてもらう「交易」システム。船の派遣前にセーブして、派遣後にクイックセーブ→内蔵時計を進める、よい武器がでなければセーブに戻るでリセマラが可能です。

△序盤からわりかし強めの武器を手に入れておけば、そのままごり押しで中盤まで進められます。

△序盤からわりかし強めの武器を手に入れておけば、そのままごり押しで中盤まで進められます。

やはり、『ロマサガ』らしさというのは、ただ絵やシステムを似たようにするものでは作れるものではなく、あの絶妙な自由度と、奥深い設定があるからこそ成立しているのだなと強く感じますね。

これならいっそ、クソゲーを遊んでいるときに感じる、このクソゲーを潜り抜けた先に見える景色を見たいみたいなわくわく感があるほうがよかったのかもしれません。でも、フリューのゲームにこう、熱くなることがなんとなく、クソゲー収集家としては恥ずかしいことで、『エクステトラ』や『ロストディメンション』、『つくものがたり』、『アンチェインブレイズ エクシヴ』なんかを発売日に定価で購入してクリアーしてきたおれからすれば、まぁ当然というところなんですが、本作が『ロマサガ』だと言われるとそうじゃないだろうと思うので、なんとなく書いてみました。本作が『ロマサガ』と言い出したのは誰だとかはどうでもいいことで、これだけキャラクターデザインやらシステムなんかからそれっぽさを醸すのなら、ちゃんとそれ以上のものを作ってほしいというのが正直な感想です。

ただ、フリューのチャレンジスピリットというのは大好きで、このご時世に新しいRPGを出してくれるだけで嬉しく思っていますし、それの応援も込めて、毎回買わせてもらっています。『結城友奈は勇者である 樹海の記憶』も、しっかり限定版を予約させていただいております。

いやしかし、『サガ2015(仮)』が発表されてて、本当によかった。このゲームにとっては、発表されたことが誤算だったのかもしれませんが。